こんぺいとうびより
彩木と璃子はメイク直しでトイレに寄る。

少し頬を染めた彩木の隣で璃子は真っ赤になっていた。

───やばい、『ハニー、愛してるよ。』の破壊力がやばい・・・いや、あたしに言われてるわけじゃないのわかってるけど・・・そしてその後の熱い眼差し・・・くう~!たまんない!なんのご褒美!?ありがたや~。

目をぎゅっとつむると両手で自分を抱きしめ体をくねらせる。

「!?玉川さん!?大丈夫ですか!?茹でダコみたいに真っ赤ですけど!?くねくねしてるし!」

「彩木さんのおかげです!ありがとうございます!葉吉さんにも玉川が感謝していたとお伝えください!」

「え?なんで・・・?」

「彩木さん、今日もお弁当なんですね・・・冷蔵庫に入れるんですか?」

彼女が持つ大きめのランチバッグに目をやる。おそらく二人分だろう。

「?そうですけど・・・。」

「じゃ、もしよかったら保冷剤かしてもらえませんか?いつもかわいいやつ入れてますよね?」

「え、もうぬるくなってると思うし、お弁当の匂いついてるかもしれないけどそれでよければ・・・。」

保冷機能つきのランチバッグから100円ショップで買った、輪切りにしたレモンの絵がついた保冷剤と、色違いのライムの絵の保冷剤を出して璃子に渡す。

「ありがとうございます~。」

保冷剤を受け取りレモンパックでもするように両頬に当てる璃子を彩木は心配そうに見た。

「大丈夫ですか?熱計った方が・・・。」

「大丈夫です!先に行っててください。あたしはちょっとクールダウンしてから行くんで!」

「じゃあ、お先に・・・本当に無理しないでくださいね・・・。」

彩木が出ていくと、璃子は頬に保冷剤を押し付けながら深呼吸をして、火照(ほて)る頬と騒ぐ心臓をなんとかなだめようと試みたが、しばらく治まりそうになかった。
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