こんぺいとうびより
「それに、あたし慣れてるから。よく言われるんです。『璃子と会って、男女の友情ってあるんだと知った。』とか、付き合っても『やっぱりお前とは友達でいたい。』とか。女として魅力ないんですかね?背もデカいし、髪もメイクも派手めだし、お酒強いし、可愛いげないのかな。」

「いや、そんなことは・・・。」

───むしろ、色気的なことで言ったら彩木さんより・・・。

彼女の平均より大きそうな胸の辺りに自然と目がいってしまい、慌てて逸らす。

「玉川さんと一緒にいると楽しいですよ。話とかノリも合うし。」

「でも、ドキドキしたり、触れたいって思ったり、自分だけのものにしたいとかは思わないでしょ?」

「うん・・・ごめん。その、ずっと仲良くしていけそうだけど・・・平行線っていうか。」

「交わることはないって感じですか?」

「うん・・・というか、そんな気持ちなのに俺ひどいことしてますよね・・・玉川さんの気持ちに答えられないって言ったのに誘ったりして・・・利用してるみたいだ。」

「そんなことないですよ。単純に誘ってもらって嬉しかったですから。新貝さんから誘ってくれたの初めてだし。」

一直は、はにかんで下を向いた璃子を可愛いと思った。

「・・・。」

───なんで、好きになった人に好きになってもらえないんだろう、好きになってくれた人を好きになれないんだろう・・・。

「ちょっと新貝さん、グラス空いてますよ!そろそろ日本酒いきません?」




「・・・うーん・・・。」

一直が目を覚ますと見慣れない天井が目に入った。

「!?!?!?!?!?」
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