こんぺいとうびより
「えええ!?!?!?」

───ま、まさか、二人で、その・・・『平行線』って言ってたのに交わっちゃうみたいな!?

璃子は顔が急激に熱くなってくるのを感じた。

「なんかこう、スカッとするような・・・ボーリングとか、バッティングセンターとか・・・ボルタリング・・・は違うか・・・スカイダイビングは金かかりそうだし、あ、遊園地の絶叫マシーンで叫ぶとか。」

一直は腕を組んで思案顔で言った。

「あ、ああ、そっちですよね・・・。」

───あ、焦ったぁ~。そうだよね・・・。

ホッとする璃子を見て一直は妖しく笑う。

「玉川さんが思った方でもいいけど・・・?」

「!?いやいやっ、その、なんのことでしょう!?それより新貝さん、早く水分補給した方が二日酔い良くなりますよっ!スポーツドリンクもありましたよ!」

「・・・そう。トイレ行ってついでに持ってこようかな。」

一直が一瞬にやりとしてから紙コップの水を飲み干し出ていくと璃子はうずくまってガッツポーズをした。叫びたくなるのを必死で抑える。

───完全にからかわれたけど・・・それより!ボーリングとかバッテイングセンターとか遊園地ってデートじゃない!?やったあああ!・・・まあ、新貝さんはこの狭い部屋で一晩一緒に過ごしても何も感じてないだろうし、デートだって思ってるのはあたしだけだろうし、1回のみで終わりなんだろうけど、でもでも嬉し~!!後で彩木さんにメッセージで報告しちゃおうかなぁ!

璃子は最大限に緩んだ表情で喜びを噛みしめた。
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