冷徹御曹司は初心な令嬢を政略結婚に堕とす
まるで蜂蜜のように甘く艶やかな低音で囁かれ、胸がきゅうっと締め付けられる。

「あの件は悪かった。そのせいでたとえ君に嫌われていようと、今日からは容赦なく君を愛し抜く。そのつもりで覚悟しておけ」

彼はうっとりと大人の色気たっぷりに心臓のあたりに牙を立てる。
そうして蠱惑的な意地悪な笑みをひとつ浮かべると、硬直する私を置いて寝室を出て行った。

「……へ?」

あの日から触れないようにしていたのは、私への配慮で……。
たとえ君に嫌われていようと、って宗鷹さんは私を嫌っていたんじゃない……ってこと?
それとも昨日までは確実に嫌ってた?

でも、君の心も体も、すべて俺のものにしたいって……。

「っええええ!?」

何がなんだか意味がわからない。
聞き間違い? それとも幻聴だったかも、なんてひたすら混乱する。

私は自分以外誰もいなくなったベッドの上で、耳まで真っ赤になっているだろう顔を両手で隠した。
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