冷徹御曹司は初心な令嬢を政略結婚に堕とす
彼の言葉を遮り説得すると、本当に渋々の様子だったが、なんとか部屋の掃除と洗濯だけは任せてもらえるようになった。

ちなみに、洗濯機は説明書を読み込んだ上で彼に指導してもらい、洗いから乾燥の通常コース、時にはおうちクリーニングコースまで上手に使えている。

仕上がりたての宗鷹さんの洗濯物を手に取り一枚一枚畳む時間は、なんだか心まで温かくなる。
日常の中にあるなんでもない瞬間なのかもしれないが、家族の健やかな日々を支える、特別で尊いもののように思えた。

さて。そんな風に少しずつ家事を分担してもらえるようになった私には、新たな目標がある。
それは、言わずもがな朝食作りだ。

サラダとパンと根菜スープくらいなら頑張ったら用意できるのだが、いかんせん手ぎわが初心者級なため、『平日は急いでいるから手伝わなくていい』とすでに止められている。

だが休日はどうだろう。宗鷹さんが出勤しなくていい分、時間はある。

「休日なので、今日こそ私に作らせてくださいっ」
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