冷徹御曹司は初心な令嬢を政略結婚に堕とす
写真立ての中には、レトロな風合いの写真が入っていた。
「……これ、お祖父さまとお祖母さまと……宗鷹さん?」
「はい。十八年ほど前でしょうか? 鶴来屋のサロンにお越しになっていた、鶴山様夫妻と宗鷹坊っちゃまの写真です」
学生の頃にカメラマンを目指していたという彼は、今でも写真が趣味で、時々こうやってシャッターを切ってくれる。
櫻衣家でもよく、家族写真を彼に撮ってもらったものだ。
「記憶が正しければ良いのですが、確か宗鷹坊っちゃまのお誕生日祝いで、ご来店でしたね」
まるで親戚の孫を見るように慈愛に満ちた瞳で、岩国さんが宗鷹さんに問いかける。
宗鷹さんは、なぜか少し取り乱しているような、罰の悪そうな表情をしている。
「そう、だな。懐かしいが……この写真はどうして?」
「お客様の写真をまとめているアルバムを見ていましたら、ちょうど見つけましてね。当時、現像したものをすぐにお渡しする予定だったんですが、この日を最後に皆様でお見えになる機会がなかったので……」
「……これ、お祖父さまとお祖母さまと……宗鷹さん?」
「はい。十八年ほど前でしょうか? 鶴来屋のサロンにお越しになっていた、鶴山様夫妻と宗鷹坊っちゃまの写真です」
学生の頃にカメラマンを目指していたという彼は、今でも写真が趣味で、時々こうやってシャッターを切ってくれる。
櫻衣家でもよく、家族写真を彼に撮ってもらったものだ。
「記憶が正しければ良いのですが、確か宗鷹坊っちゃまのお誕生日祝いで、ご来店でしたね」
まるで親戚の孫を見るように慈愛に満ちた瞳で、岩国さんが宗鷹さんに問いかける。
宗鷹さんは、なぜか少し取り乱しているような、罰の悪そうな表情をしている。
「そう、だな。懐かしいが……この写真はどうして?」
「お客様の写真をまとめているアルバムを見ていましたら、ちょうど見つけましてね。当時、現像したものをすぐにお渡しする予定だったんですが、この日を最後に皆様でお見えになる機会がなかったので……」