冷徹御曹司は初心な令嬢を政略結婚に堕とす
そう問われて、私はゆるゆると胸に手のひらを当てる。
いつの間にか息苦しさはなくなり、心臓の異常な鼓動も収まっているようだ。
「大丈夫、みたいです。あの、失礼ですが、ここは……?」
「俺の家だ。君の家に運んでも良かったが、停電していると言っていただろう。すぐに処置できるよう、悪いがこちらに運ばせてもらった」
そう言って、彼はベッドサイドにあった椅子に腰掛けた。
私は慌ててぺこりと頭を下げ、「そうなんですね。すみません、ありがとうございました」とお礼を告げる。
「構わない。温かい飲み物を持ってきたんだが、飲めそうか?」
「あ、はい。いただきます」
彼は手に持っていたマグカップをこちらへ差し出す。受け取ると、中には柚子茶が入っていた。
ふうふうと息を吹きかけて少し冷ましてから、マグカップへ唇を寄せる。
口の中いっぱいに柚子の香りと甘みが広がって、カラカラだった喉や体がじんわりと温かく潤っていく。
そのままこくこくと一気に飲み終えると、宗鷹さんが無言で私の手の中から空になったマグカップを受け取り、サイドテーブルに置いた。
「先ほどまで医者に来てもらっていたんだが、診断の結果、どうやら君は極度の緊張感や不安感などに晒されたことによるストレス性の動悸で倒れたらしい。状況から見ると一過性のもので、心臓に異常はないから安心していいそうだ」
いつの間にか息苦しさはなくなり、心臓の異常な鼓動も収まっているようだ。
「大丈夫、みたいです。あの、失礼ですが、ここは……?」
「俺の家だ。君の家に運んでも良かったが、停電していると言っていただろう。すぐに処置できるよう、悪いがこちらに運ばせてもらった」
そう言って、彼はベッドサイドにあった椅子に腰掛けた。
私は慌ててぺこりと頭を下げ、「そうなんですね。すみません、ありがとうございました」とお礼を告げる。
「構わない。温かい飲み物を持ってきたんだが、飲めそうか?」
「あ、はい。いただきます」
彼は手に持っていたマグカップをこちらへ差し出す。受け取ると、中には柚子茶が入っていた。
ふうふうと息を吹きかけて少し冷ましてから、マグカップへ唇を寄せる。
口の中いっぱいに柚子の香りと甘みが広がって、カラカラだった喉や体がじんわりと温かく潤っていく。
そのままこくこくと一気に飲み終えると、宗鷹さんが無言で私の手の中から空になったマグカップを受け取り、サイドテーブルに置いた。
「先ほどまで医者に来てもらっていたんだが、診断の結果、どうやら君は極度の緊張感や不安感などに晒されたことによるストレス性の動悸で倒れたらしい。状況から見ると一過性のもので、心臓に異常はないから安心していいそうだ」