冷徹御曹司は初心な令嬢を政略結婚に堕とす
夕食から少し経ったあと、寝室を出てバスルームへ案内される。
宗鷹さんの家はの間取りは、隣にある……というか向かい合わせになっている弟の家とは、左右対称に造られている。
だからなのか、歩いていると何かが違う感じがして、家の中だというのに方向感覚がおかしくなる気がした。
せめて部屋の扉が全部開いていたら、どこがどの部屋かわかりやすいのに。
しかし残念ながら扉は一様に閉まっているため、リビングルームに続く磨り硝子が嵌め込まれたドア以外は、部屋の違いがわからない。
私自身、もともと方向音痴なところがあるので、あてがわれた寝室へ真っ直ぐ帰るのは、ちょっと骨が折れそうだと思った。
「着替えはここに置いておく。それから……」
脱衣所に新しいタオルとルームウェアを用意してくれた宗鷹さんは、ふと百八十センチを超える長身を折り、ゆっくりと私に視線を合わせる。
そうして、彼はまるで壊れ物に触れるように繊細な手つきで、私の目元にそっと骨ばった親指を這わせた。
「隈がひどいな。本当に、君はどれほど眠れていなかったんだ」
寝室を照らしていた暗めの暖色ライトとは違い、ここは清潔感のある白いライトに照らされている。
そのせいで、コンシーラーで上手に隠していた隈がバレてしまったのだろう。
宗鷹さんの家はの間取りは、隣にある……というか向かい合わせになっている弟の家とは、左右対称に造られている。
だからなのか、歩いていると何かが違う感じがして、家の中だというのに方向感覚がおかしくなる気がした。
せめて部屋の扉が全部開いていたら、どこがどの部屋かわかりやすいのに。
しかし残念ながら扉は一様に閉まっているため、リビングルームに続く磨り硝子が嵌め込まれたドア以外は、部屋の違いがわからない。
私自身、もともと方向音痴なところがあるので、あてがわれた寝室へ真っ直ぐ帰るのは、ちょっと骨が折れそうだと思った。
「着替えはここに置いておく。それから……」
脱衣所に新しいタオルとルームウェアを用意してくれた宗鷹さんは、ふと百八十センチを超える長身を折り、ゆっくりと私に視線を合わせる。
そうして、彼はまるで壊れ物に触れるように繊細な手つきで、私の目元にそっと骨ばった親指を這わせた。
「隈がひどいな。本当に、君はどれほど眠れていなかったんだ」
寝室を照らしていた暗めの暖色ライトとは違い、ここは清潔感のある白いライトに照らされている。
そのせいで、コンシーラーで上手に隠していた隈がバレてしまったのだろう。