冷徹御曹司は初心な令嬢を政略結婚に堕とす
櫻衣家は基本的に、自社製品を愛用している。
なので、Eid&Vertragの衣服には初めて袖を通したのだが、思わずため息が出るほどの着心地でびっくりした。
櫻衣商事の展開する自社ブランドにもカジュアルナイトウェアブランドはあるものの、売り上げは量販店に押されていて、低迷の一途を辿っている。
それに……悔しいけれど、残念ながら着心地は段違いだ。
櫻衣商事の自社ブランドをこよなく愛するひとりとして、認めたくはないが……完全なる敗北を感じた。
悲しみに打ちひしがれながらドライヤーで髪を乾かした後、着ていた洋服が入った紙袋を両腕で抱えて、サニタリールームをあとにする。
しかし、廊下に出たところで――。
「どうしよう、まったくわからない」
案の定、方向音痴を発揮してしまった。
多分ここかな? と思った部屋の扉を控えめにノックしてから、そうっと開けてみる。
「あっ。すみません、お邪魔しました」
あてがわれた寝室ではなく書斎だった。慌てて扉を閉めて、再び廊下に戻る。
あっちは玄関。あっちはバスルーム。それで、ええっと……どっちだろう?
立ちすくんだまま頭を抱えて推理してみるが、難問過ぎて解決策は浮かばない。
なので、Eid&Vertragの衣服には初めて袖を通したのだが、思わずため息が出るほどの着心地でびっくりした。
櫻衣商事の展開する自社ブランドにもカジュアルナイトウェアブランドはあるものの、売り上げは量販店に押されていて、低迷の一途を辿っている。
それに……悔しいけれど、残念ながら着心地は段違いだ。
櫻衣商事の自社ブランドをこよなく愛するひとりとして、認めたくはないが……完全なる敗北を感じた。
悲しみに打ちひしがれながらドライヤーで髪を乾かした後、着ていた洋服が入った紙袋を両腕で抱えて、サニタリールームをあとにする。
しかし、廊下に出たところで――。
「どうしよう、まったくわからない」
案の定、方向音痴を発揮してしまった。
多分ここかな? と思った部屋の扉を控えめにノックしてから、そうっと開けてみる。
「あっ。すみません、お邪魔しました」
あてがわれた寝室ではなく書斎だった。慌てて扉を閉めて、再び廊下に戻る。
あっちは玄関。あっちはバスルーム。それで、ええっと……どっちだろう?
立ちすくんだまま頭を抱えて推理してみるが、難問過ぎて解決策は浮かばない。