クールな騎士はウブな愛妻に甘い初夜を所望する
「私がお相手でよろしいのですか?」
ランベールは戸惑った表情で、レティシアを見た。そして彼は、彼女の側についていたクロエにも視線をやった。
レティシアもちらりとクロエの方を見る。クロエは目を瞬かせ、何かを言いたげにしていた。
「え、ええ。クロエが話を通してくれるって言ってくれたから」
レティシアがそう言い添えると、クロエは目を輝かせ、首を縦に振ってみせた。
「かしこまりました。王女殿下が望まれることであれば、御意のままに」
「よかった。明日またあなたと会えるのね……!」
レティシアはホッとした。さっき見てしまったことなど吹き飛んでしまうほど、嬉しかった。
はしゃぐ彼女を前に、ランベールが何か言いたげな、もどかしそうな表情を見せた。そんな彼の様子を察して、たちまちレティシアは心配になってしまう。
「ランベール? あの、あなたこそ、もし迷惑だったら、そう言って構わないのよ。これは、任務というわけではないから……私の我儘に付き合ってばかりいられないでしょう?」
「いえ。そんなことありませんよ。お役目をいただけて光栄です。ぜひ、ご一緒させてください」
「それならよかった」
レティシアはホッと胸をなでおろす。
「では、またあした」
「ええ。またあした。おやすみなさい」
レティシアは本を抱きしめ、にこやかにランベールに手を振った。ちょっと面映いような表情をしている彼のことが愛しくて、レティシアは自然と頬を緩めてしまう。
ランベールの姿が見えなくなってから、クロエがふふっと笑みをこぼした。
「よかったですね。レティシア様」
「ええ。あなたのおかげよ、クロエ」
「とんでもありません。もったいないお言葉ですわ。それでは、どうかよい夢を……」
「あなたもね、クロエ。おやすみなさい」
クロエがレティシアを送って部屋を離れてから、彼女は窓辺の花瓶に活けてあったクロッカスの方を気にかけた。
(……萎れてしまってからでは、押し花にできないのかしら?)
押し花の作り方を聞けばよかった。さっきは舞い上がってしまい、そこまで考えが至らなかった。
(明日……レッスンのときに聞いてみようかしら)
楽しいことがたくさん待っている。今はそんなふうに考えていたい。
(……大好きよ、ランベール。ありがとう)
ランベールは戸惑った表情で、レティシアを見た。そして彼は、彼女の側についていたクロエにも視線をやった。
レティシアもちらりとクロエの方を見る。クロエは目を瞬かせ、何かを言いたげにしていた。
「え、ええ。クロエが話を通してくれるって言ってくれたから」
レティシアがそう言い添えると、クロエは目を輝かせ、首を縦に振ってみせた。
「かしこまりました。王女殿下が望まれることであれば、御意のままに」
「よかった。明日またあなたと会えるのね……!」
レティシアはホッとした。さっき見てしまったことなど吹き飛んでしまうほど、嬉しかった。
はしゃぐ彼女を前に、ランベールが何か言いたげな、もどかしそうな表情を見せた。そんな彼の様子を察して、たちまちレティシアは心配になってしまう。
「ランベール? あの、あなたこそ、もし迷惑だったら、そう言って構わないのよ。これは、任務というわけではないから……私の我儘に付き合ってばかりいられないでしょう?」
「いえ。そんなことありませんよ。お役目をいただけて光栄です。ぜひ、ご一緒させてください」
「それならよかった」
レティシアはホッと胸をなでおろす。
「では、またあした」
「ええ。またあした。おやすみなさい」
レティシアは本を抱きしめ、にこやかにランベールに手を振った。ちょっと面映いような表情をしている彼のことが愛しくて、レティシアは自然と頬を緩めてしまう。
ランベールの姿が見えなくなってから、クロエがふふっと笑みをこぼした。
「よかったですね。レティシア様」
「ええ。あなたのおかげよ、クロエ」
「とんでもありません。もったいないお言葉ですわ。それでは、どうかよい夢を……」
「あなたもね、クロエ。おやすみなさい」
クロエがレティシアを送って部屋を離れてから、彼女は窓辺の花瓶に活けてあったクロッカスの方を気にかけた。
(……萎れてしまってからでは、押し花にできないのかしら?)
押し花の作り方を聞けばよかった。さっきは舞い上がってしまい、そこまで考えが至らなかった。
(明日……レッスンのときに聞いてみようかしら)
楽しいことがたくさん待っている。今はそんなふうに考えていたい。
(……大好きよ、ランベール。ありがとう)