クールな騎士はウブな愛妻に甘い初夜を所望する
彼の腕に抱かれ、引き寄せられ、受け止められ、そのたびに、胸が苦しくなっていくけれど、それと同じくらい嬉しくて、とても幸せだった。
最後に、もっと強く抱かれたい。
そんな衝動が裏目に出たのか、レティシアは勢い余って前のめりになった。ちょうどターンをするタイミングだったので遠心力が働き、そのまま床に倒れ込みそうになった。
レティシアは衝撃を覚悟して目をつむったのだが、
「あぶないっ」
衣擦れの音が耳を突く。とっさにランベールが下敷きになって抱きとめ、レティシアは彼の上に倒れ込む形になった。彼女が怪我をすると判断して、衝撃を吸収したみたいだった。
おかげでレティシアは痛みを感じずに 済んだが、腰を抱かれているから、ランベールの表情がちっとも見えない。いくら騎士とはいえ、背中を打ったら痛くないわけがないだろう。
「ランベール……! ごめんなさい。どうしよう。怪我は……」
もぞもぞと這おうとすると、ランベールが腕の力を強めた。
「大丈夫です。殿下、そのまま……動かないでください」
「でも……」
「私ではなく、レティシア様の方が、大変なことになっているんです。それ以上動くと、あなたの肌が……私の目の前にさらされてしまいます」
「え?」
ランベールの言っていることがすぐには理解できず、レティシアはその場で身じろぐ。
よく見ると、ドレスのリボン が解けかけていたらしく、今にも胸がこぼれ落ちそうになっていた。さらにはみ出た白い膨らみでランベールの顔を押しつぶしていたのだった。
レティシアはその有様に驚いて目を丸くした。
「きゃっ……や、やだ。私ったら……!」
慌てて身を離したくなったが、今動いたら、胸が丸見えだ。そんなはしたないことをしてはいけない。不可抗力で見えてしまったら、紳士に務めてくれていたランベールにだって申し訳がない。
「大丈夫です。動かないでいてください。この体勢のまま、とりあえず解けそうなリボンを結び直しましょう。今、一緒にゆっくり起き上がりますから」
「ご、ごめんなさい」
レティシアはとにかくランベールにされるがまま動かずにいることに徹した。
「い、いえ」
身体を起こしてくれ、ランベールは胸を見ないように視線を逸らしながら、レティシアのドレスの組紐を結び直してくれた。
最後に、もっと強く抱かれたい。
そんな衝動が裏目に出たのか、レティシアは勢い余って前のめりになった。ちょうどターンをするタイミングだったので遠心力が働き、そのまま床に倒れ込みそうになった。
レティシアは衝撃を覚悟して目をつむったのだが、
「あぶないっ」
衣擦れの音が耳を突く。とっさにランベールが下敷きになって抱きとめ、レティシアは彼の上に倒れ込む形になった。彼女が怪我をすると判断して、衝撃を吸収したみたいだった。
おかげでレティシアは痛みを感じずに 済んだが、腰を抱かれているから、ランベールの表情がちっとも見えない。いくら騎士とはいえ、背中を打ったら痛くないわけがないだろう。
「ランベール……! ごめんなさい。どうしよう。怪我は……」
もぞもぞと這おうとすると、ランベールが腕の力を強めた。
「大丈夫です。殿下、そのまま……動かないでください」
「でも……」
「私ではなく、レティシア様の方が、大変なことになっているんです。それ以上動くと、あなたの肌が……私の目の前にさらされてしまいます」
「え?」
ランベールの言っていることがすぐには理解できず、レティシアはその場で身じろぐ。
よく見ると、ドレスのリボン が解けかけていたらしく、今にも胸がこぼれ落ちそうになっていた。さらにはみ出た白い膨らみでランベールの顔を押しつぶしていたのだった。
レティシアはその有様に驚いて目を丸くした。
「きゃっ……や、やだ。私ったら……!」
慌てて身を離したくなったが、今動いたら、胸が丸見えだ。そんなはしたないことをしてはいけない。不可抗力で見えてしまったら、紳士に務めてくれていたランベールにだって申し訳がない。
「大丈夫です。動かないでいてください。この体勢のまま、とりあえず解けそうなリボンを結び直しましょう。今、一緒にゆっくり起き上がりますから」
「ご、ごめんなさい」
レティシアはとにかくランベールにされるがまま動かずにいることに徹した。
「い、いえ」
身体を起こしてくれ、ランベールは胸を見ないように視線を逸らしながら、レティシアのドレスの組紐を結び直してくれた。