クールな騎士はウブな愛妻に甘い初夜を所望する
きっと、ただ読むだけではだめなのだ。彼はそう伝えている。彼の意図を読み取ることができなければ、彼は二度と本心を見せてくれないかもしれない。
レティシアは心配だった。彼女が輿入れをしようとしまいと、ランベールはいつか手の届かないところへいってしまうような気がしたのだ。
どこにも行かないで。叫びだしたくなるような不安が、レティシアを突き動かす。
「わかったわ。必ず……最後まで読むから、だから……どうか待っていて」
レティシアは懇願する。
好きになってくれなくてもいい。ただ、限られた残りの時間……一緒にいられる間は、側にいさせてほしい。
「では、私はこれから次の任務の出立準備を整えなくてはなりませんから、また戻ったあとに……」
ランベールは恭しく礼をとり、それからレティシアの部屋を退出した。彼の背中を見送ったあと、レティシアはいてもたってもいられなくなり、すぐに本を手にとって栞を挟んでいたページを開いた。
花の妖精と太陽の王が出会い、恋に落ちる。それから……、どうなっていく話なのだろうか。
とても素敵な話だから、きっとこの先も幸せな展開が待っているのだろうと想像しながら、物語の続きを楽しみに少しずつ読み進めていたのだが、ランベールの話を聞いたあとでは、どうしても不安でしかたなくなってしまった。彼の雰囲気からすると、ただのロマンティックな話ではないのかもしれない。
ランベールは一度だけでなく、最後まで読んだら、もう一度、最後まで読んでほしいと言った。表面上だけではない、何か意味を伝えたいのか、それとも暗号でもあるのか。
レティシアは寸暇を惜しんで、とにかく読み進めたのだが、彼女は後半の展開になるにつれ、動悸を感じはじめた。そして、ある文章を見て、ついに捲る手を止めてしまう。
『騎士は、新しい国を作ろうとした。花の妖精への秘めた想いと決別し、偽物の太陽の王を討つために……』
(まさか……)
レティシアその文章を見て、ハッと息をのむ。そして思わず振り返った。背中にひやりとしたものを感じた。剣の切っ先を突きつけられたような錯覚に陥ったのだ。
怖い推察が働いてしまった。
打ち消そうとしても、それを上回る疑念という波が次々に押し寄せてきて、彼女の思考の自由を奪った。
レティシアは心配だった。彼女が輿入れをしようとしまいと、ランベールはいつか手の届かないところへいってしまうような気がしたのだ。
どこにも行かないで。叫びだしたくなるような不安が、レティシアを突き動かす。
「わかったわ。必ず……最後まで読むから、だから……どうか待っていて」
レティシアは懇願する。
好きになってくれなくてもいい。ただ、限られた残りの時間……一緒にいられる間は、側にいさせてほしい。
「では、私はこれから次の任務の出立準備を整えなくてはなりませんから、また戻ったあとに……」
ランベールは恭しく礼をとり、それからレティシアの部屋を退出した。彼の背中を見送ったあと、レティシアはいてもたってもいられなくなり、すぐに本を手にとって栞を挟んでいたページを開いた。
花の妖精と太陽の王が出会い、恋に落ちる。それから……、どうなっていく話なのだろうか。
とても素敵な話だから、きっとこの先も幸せな展開が待っているのだろうと想像しながら、物語の続きを楽しみに少しずつ読み進めていたのだが、ランベールの話を聞いたあとでは、どうしても不安でしかたなくなってしまった。彼の雰囲気からすると、ただのロマンティックな話ではないのかもしれない。
ランベールは一度だけでなく、最後まで読んだら、もう一度、最後まで読んでほしいと言った。表面上だけではない、何か意味を伝えたいのか、それとも暗号でもあるのか。
レティシアは寸暇を惜しんで、とにかく読み進めたのだが、彼女は後半の展開になるにつれ、動悸を感じはじめた。そして、ある文章を見て、ついに捲る手を止めてしまう。
『騎士は、新しい国を作ろうとした。花の妖精への秘めた想いと決別し、偽物の太陽の王を討つために……』
(まさか……)
レティシアその文章を見て、ハッと息をのむ。そして思わず振り返った。背中にひやりとしたものを感じた。剣の切っ先を突きつけられたような錯覚に陥ったのだ。
怖い推察が働いてしまった。
打ち消そうとしても、それを上回る疑念という波が次々に押し寄せてきて、彼女の思考の自由を奪った。