クールな騎士はウブな愛妻に甘い初夜を所望する
***
その日の任務を終え、騎士団の宿舎から離れ、離宮の塔を訪れたランベールは、ランドリールームでシーツを畳んでいるクロエに声をかけた。
「まあ。ランベール様、何か御用でしょうか?」
めったに訪れない場所に現れたランベールを見て、クロエは目を丸くし、手元を休める。
「すみません。実は、お借りしたいものがあって。私の身丈に合うものがあれば」
と、ランベールは指をさす。
そこには、使用人たちの着替えが一式揃っていた。
クロエは意味がわからないといったふうに怪訝な表情を浮かべた。
「ある、とは思いますが、それはまたどうして……」
その疑問に回答するより早く、ランベールは言った。
「できれば、しばらく、人払いをお願いできますか? 殿下と、大事な話をしたいのです」
一大事だと、クロエは察知したのだろう。賢い女性だ。深くは聞いてはこなかった。だからこそ、ランベールはクロエに頼んだのだ。
「……わかりました。ですが、あんまり、レティシア様を、いじめないでくださいね」
クロエが心配そうな顔をして言った。
「そのつもりはないのですが」
と、ランベールは苦笑した。
「今日も、バルコニーからまた見ていましたよ」
クロエが肩をすくめて見せる。
「そうですか。殿下にとっては、バルコニーが唯一の外との繋がりでしょうから……」
「ですが、思いつめた顔をして、いつもとは違う様子でした。何かがあったのか、或いは、これから何かがあるのでしょう。それが、解決することを切に願っていますよ」
クロエは真剣な表情で訴えた。
母親代わりでもあるクロエは、レティシアの幸せを願っている。彼女を危険に晒すことがあれば許さないと、そういう圧力を感じた。
「私も、同じです。そう願っています」
と、ランベールはそれだけ告げた。
「では、まずはこちらを。よろしければ、奥の小間部屋を御使いください」
クロエから一式着替えを受け取ったランベールは、一礼する。
「助かります」
それから小間部屋を借りてすぐに着替えを済ませ、いつもの彼と異なる装いをしたあと、クロエと共に二階のレティシアの部屋へと向かった。
衛兵にはランベールから話をつけて離れてもらい、クロエには他の者が立ち入らないように配慮してもらうことにした。
その日の任務を終え、騎士団の宿舎から離れ、離宮の塔を訪れたランベールは、ランドリールームでシーツを畳んでいるクロエに声をかけた。
「まあ。ランベール様、何か御用でしょうか?」
めったに訪れない場所に現れたランベールを見て、クロエは目を丸くし、手元を休める。
「すみません。実は、お借りしたいものがあって。私の身丈に合うものがあれば」
と、ランベールは指をさす。
そこには、使用人たちの着替えが一式揃っていた。
クロエは意味がわからないといったふうに怪訝な表情を浮かべた。
「ある、とは思いますが、それはまたどうして……」
その疑問に回答するより早く、ランベールは言った。
「できれば、しばらく、人払いをお願いできますか? 殿下と、大事な話をしたいのです」
一大事だと、クロエは察知したのだろう。賢い女性だ。深くは聞いてはこなかった。だからこそ、ランベールはクロエに頼んだのだ。
「……わかりました。ですが、あんまり、レティシア様を、いじめないでくださいね」
クロエが心配そうな顔をして言った。
「そのつもりはないのですが」
と、ランベールは苦笑した。
「今日も、バルコニーからまた見ていましたよ」
クロエが肩をすくめて見せる。
「そうですか。殿下にとっては、バルコニーが唯一の外との繋がりでしょうから……」
「ですが、思いつめた顔をして、いつもとは違う様子でした。何かがあったのか、或いは、これから何かがあるのでしょう。それが、解決することを切に願っていますよ」
クロエは真剣な表情で訴えた。
母親代わりでもあるクロエは、レティシアの幸せを願っている。彼女を危険に晒すことがあれば許さないと、そういう圧力を感じた。
「私も、同じです。そう願っています」
と、ランベールはそれだけ告げた。
「では、まずはこちらを。よろしければ、奥の小間部屋を御使いください」
クロエから一式着替えを受け取ったランベールは、一礼する。
「助かります」
それから小間部屋を借りてすぐに着替えを済ませ、いつもの彼と異なる装いをしたあと、クロエと共に二階のレティシアの部屋へと向かった。
衛兵にはランベールから話をつけて離れてもらい、クロエには他の者が立ち入らないように配慮してもらうことにした。