クールな騎士はウブな愛妻に甘い初夜を所望する
物音で目を覚ましたレティシアは、飛び起きるようにバルコニーへと身を躍らせた。
薔薇の庭園が邪魔をしていても、その異様な光景はすぐにわかった。臣下たちの往来が激しい。慌ただしく動いている。今、何かが起きている可能性がある。
まさか、謀反が実行されたのだろうか。
彼と彼の協力者たちによる計画はレティシアも聞いていた。でも、事前に迎えにくると言っていたはずなのに、朝になっても彼はまだ来ない。何か計画が狂うようなことがあったのだろうか。
とにかく早く着替えなければならない。呼び鈴を鳴らし、クロエを呼び出したが、すぐには来ない。仕方ないので、自分で着替えられる形のシンプルなエンパイア型のドレスに急いで袖を通した。
(……どうしよう。何か、よくないことだったら……)
部屋のノックの音がして、レティシアは慌ててドアのほうに近づいた。
「どうぞ」
クロエならすぐに開けるので、やっとランベールが迎えにきてくれたのだと思った。
しかし実際に入ってきたのは、別の知らない若い騎士だった。
「王女殿下、今から私と一緒にきていただきます。こちらへ」
なにやら様子がおかしい。ひどい胸騒ぎがして、レティシアは落ち着かない気持ちになる。
「待って。私の護衛をしていた騎士はどうしているの?」
若い騎士はあたりを見渡してから、レティシアに近づき、彼女の耳の側で声を潜めた。
「ランベール様からの伝言です。殿下には、どうかそのまま待っていてほしい、と」
それを聞いて、レティシアはショックを受けた。
「教えて。今、何が起きているの」
若い騎士の表情が途端に険しくなった。
「ヴァレリー王国に侵攻されました。今、我々騎士団の部隊が幾つか対応に当たっています。第二騎士隊長であられるランベール様もその中にいらっしゃいます」
「そんな……」
レティシアの顔から血の気が引いた。鼓動がいやな音を立て、どんどん速まっていく。
戦争とクーデターが同時に起きたら、国は混乱を極めるだけだ。場合によっては、国防を優先しなければならず、革命軍の計画が頓挫することもありえる。
「心配なさらないでください。ヴァレリー王国側の不穏な様子は、以前より斥候から報告は受けていました。事態が予想より早く動いたというだけです」
薔薇の庭園が邪魔をしていても、その異様な光景はすぐにわかった。臣下たちの往来が激しい。慌ただしく動いている。今、何かが起きている可能性がある。
まさか、謀反が実行されたのだろうか。
彼と彼の協力者たちによる計画はレティシアも聞いていた。でも、事前に迎えにくると言っていたはずなのに、朝になっても彼はまだ来ない。何か計画が狂うようなことがあったのだろうか。
とにかく早く着替えなければならない。呼び鈴を鳴らし、クロエを呼び出したが、すぐには来ない。仕方ないので、自分で着替えられる形のシンプルなエンパイア型のドレスに急いで袖を通した。
(……どうしよう。何か、よくないことだったら……)
部屋のノックの音がして、レティシアは慌ててドアのほうに近づいた。
「どうぞ」
クロエならすぐに開けるので、やっとランベールが迎えにきてくれたのだと思った。
しかし実際に入ってきたのは、別の知らない若い騎士だった。
「王女殿下、今から私と一緒にきていただきます。こちらへ」
なにやら様子がおかしい。ひどい胸騒ぎがして、レティシアは落ち着かない気持ちになる。
「待って。私の護衛をしていた騎士はどうしているの?」
若い騎士はあたりを見渡してから、レティシアに近づき、彼女の耳の側で声を潜めた。
「ランベール様からの伝言です。殿下には、どうかそのまま待っていてほしい、と」
それを聞いて、レティシアはショックを受けた。
「教えて。今、何が起きているの」
若い騎士の表情が途端に険しくなった。
「ヴァレリー王国に侵攻されました。今、我々騎士団の部隊が幾つか対応に当たっています。第二騎士隊長であられるランベール様もその中にいらっしゃいます」
「そんな……」
レティシアの顔から血の気が引いた。鼓動がいやな音を立て、どんどん速まっていく。
戦争とクーデターが同時に起きたら、国は混乱を極めるだけだ。場合によっては、国防を優先しなければならず、革命軍の計画が頓挫することもありえる。
「心配なさらないでください。ヴァレリー王国側の不穏な様子は、以前より斥候から報告は受けていました。事態が予想より早く動いたというだけです」