クールな騎士はウブな愛妻に甘い初夜を所望する
つまり、この場を切り抜けなければ、この先はないと思わなくてはならない。大事な局面だ。
この戦には、騎士団長より、第二騎士隊長であるランベールが指揮官として任命されている。彼が志願したことだった。
と、そこへ、王宮からの使いの早馬がやってきた。
「どうした」
「……国王の身柄は無事に拘束しました。第一段階は問題ありません」
ランベールは報告に頷き返す。
「王女殿下の方は」
「今、正殿へ誘導しているところです。殿下は不安でおられるでしょうが、一方、冷静でもいらっしゃいます」
その話を聞いて、ランベールは安堵した。
「わかった。では、こちらも、そうそうにかたをつけねばなるまい。引き続き、援護を頼む」
「はっ」
よい報せに、ランベールの士気があがる。王宮側も頑張ってくれている。こちらもいい土産を持っていかねばなるまい。
拮抗を見極め、好機に狙いを定めようとランベールが見渡していたところ、横から別の隊の騎士が戦況の報告にやってくる。
「ランベール様、右翼側の前線が崩れそうです。向こうに将が動いており、だいぶ勢いが集中しているようです」
「焦らなくていい。こちらも作戦どおりにいけ」
今は指示に徹しているが、場合によっては前線に出なくてはならない。ランベールが引き受けたのは、そういう任務なのだ。
レティシアの笑顔がちらちらと浮かんだ。彼女をひとりにしないためにも、生きて帰らなくてはならない。
さらなる戦況を確かめるべく動こうとしたとき、左翼にいた第一騎士隊長のマリユスが側にやってきた。
「ランベール殿、左翼は安定です。我々が右翼の前線の後方につきますよ」
「第一隊長殿、いいのですか?」
マリユスは、ランベールよりも階級がずっと上だ。本来なら指揮官を務めるにふさわしい立場にある人だ。実際にいくつもの経験を積んでいる。それを、今回はランベールに、と推してくれたのはマリユスだった。
「もちろんです、第二騎士隊長殿。あんたをただの若い騎士だと思っている人間はもういませんよ。皆、勝利をあなたに捧げたく、ついていこうと必死です。今頃、騎士団長殿も鼻が高いことでしょうな」
マリユスは言って、いつものように豪胆に笑った。
彼はまっさきに革命に乗ってくれた人物のひとりでもある。そのおかげで、彼を慕う猛者たち大勢が味方になってくれた。
この戦には、騎士団長より、第二騎士隊長であるランベールが指揮官として任命されている。彼が志願したことだった。
と、そこへ、王宮からの使いの早馬がやってきた。
「どうした」
「……国王の身柄は無事に拘束しました。第一段階は問題ありません」
ランベールは報告に頷き返す。
「王女殿下の方は」
「今、正殿へ誘導しているところです。殿下は不安でおられるでしょうが、一方、冷静でもいらっしゃいます」
その話を聞いて、ランベールは安堵した。
「わかった。では、こちらも、そうそうにかたをつけねばなるまい。引き続き、援護を頼む」
「はっ」
よい報せに、ランベールの士気があがる。王宮側も頑張ってくれている。こちらもいい土産を持っていかねばなるまい。
拮抗を見極め、好機に狙いを定めようとランベールが見渡していたところ、横から別の隊の騎士が戦況の報告にやってくる。
「ランベール様、右翼側の前線が崩れそうです。向こうに将が動いており、だいぶ勢いが集中しているようです」
「焦らなくていい。こちらも作戦どおりにいけ」
今は指示に徹しているが、場合によっては前線に出なくてはならない。ランベールが引き受けたのは、そういう任務なのだ。
レティシアの笑顔がちらちらと浮かんだ。彼女をひとりにしないためにも、生きて帰らなくてはならない。
さらなる戦況を確かめるべく動こうとしたとき、左翼にいた第一騎士隊長のマリユスが側にやってきた。
「ランベール殿、左翼は安定です。我々が右翼の前線の後方につきますよ」
「第一隊長殿、いいのですか?」
マリユスは、ランベールよりも階級がずっと上だ。本来なら指揮官を務めるにふさわしい立場にある人だ。実際にいくつもの経験を積んでいる。それを、今回はランベールに、と推してくれたのはマリユスだった。
「もちろんです、第二騎士隊長殿。あんたをただの若い騎士だと思っている人間はもういませんよ。皆、勝利をあなたに捧げたく、ついていこうと必死です。今頃、騎士団長殿も鼻が高いことでしょうな」
マリユスは言って、いつものように豪胆に笑った。
彼はまっさきに革命に乗ってくれた人物のひとりでもある。そのおかげで、彼を慕う猛者たち大勢が味方になってくれた。