クールな騎士はウブな愛妻に甘い初夜を所望する
きっと、ランベールが志願しただけでは、此度の戦の任務について、騎士団長はすんなり頷かなかったことだろう。何を若造が、という顔をしていたことは忘れもしない。無論、革命の件は御前会議で、騎士団長も承知ではある。
マリユスはこの戦においても最大の功労者だ。それでも尚、ランベールに花をもたせようとする。時に兄のように、時に父のように、見守ってくれる彼に、ランベールは頭が上がらなかった。
「この件のトップは、私ではありません」
馬を走らせ、土埃が舞い上がる中、ランベールは、愛しい人を思い浮かべながらそう言った。
「ほう。なれば、どなたかな?」
「レティシア様ですよ。ですから、どうか勝利は、殿下に捧げてください」
ランベールが言うと、マリユスは一旦真顔に戻って、にやりと口元を曲げた。
「なるほど。愛のための革命ですか」
マリユスはランベールがようやく秘めた想いを認めたことを揶揄したようだった。
「守るよりも、選ぶことを選択した私を、笑いますか」
ランベールは以前にマリユスに言われたことを思い返し、意趣返しをしたつもりだった。
マリユスは回答に満足したのか、皺(しわ)くちゃの笑顔にさらに皺を寄せたのだった。
「いや。国への愛があるからこそ、我々も革命に動いたのですよ。勝利の女神がいるとあらば、心強いことです。猛者どもの士気も、ますます上がりましょう」
「ええ。今こそ、騎士団が一枚岩にならなければ、戦も革命も成功はしない。しかし、無駄に血が流れることは、なんとしても避けなければなりません」
「ははっ。我が将のお優しい采配でヴァレリー側は命拾いしましたな。では、一丁参りましょうか。この程度、戦にもなりませんよ。さっさと終わらせましょうや」
マリユスの精鋭部隊が右翼のサポートに動く。彼の声は遠ざかっても、よく通って聞こえた。
彼の先陣切ってのサポートにより騎士隊全体の士気があがる。
苦戦していた前線に戦力が加わり、さらに陣形を変えて対応に当たった成果、あっという間に勢いを盛り返し、こちらの有利に傾いた。
さすがだ、と感服する。
勝利の風はこちら側に吹いている。
「そのまま突っ切るぞ!」
鬨(かちどき)の声が轟く。勢いを盛り返したあとは更に攻めに徹した。
マリユスはこの戦においても最大の功労者だ。それでも尚、ランベールに花をもたせようとする。時に兄のように、時に父のように、見守ってくれる彼に、ランベールは頭が上がらなかった。
「この件のトップは、私ではありません」
馬を走らせ、土埃が舞い上がる中、ランベールは、愛しい人を思い浮かべながらそう言った。
「ほう。なれば、どなたかな?」
「レティシア様ですよ。ですから、どうか勝利は、殿下に捧げてください」
ランベールが言うと、マリユスは一旦真顔に戻って、にやりと口元を曲げた。
「なるほど。愛のための革命ですか」
マリユスはランベールがようやく秘めた想いを認めたことを揶揄したようだった。
「守るよりも、選ぶことを選択した私を、笑いますか」
ランベールは以前にマリユスに言われたことを思い返し、意趣返しをしたつもりだった。
マリユスは回答に満足したのか、皺(しわ)くちゃの笑顔にさらに皺を寄せたのだった。
「いや。国への愛があるからこそ、我々も革命に動いたのですよ。勝利の女神がいるとあらば、心強いことです。猛者どもの士気も、ますます上がりましょう」
「ええ。今こそ、騎士団が一枚岩にならなければ、戦も革命も成功はしない。しかし、無駄に血が流れることは、なんとしても避けなければなりません」
「ははっ。我が将のお優しい采配でヴァレリー側は命拾いしましたな。では、一丁参りましょうか。この程度、戦にもなりませんよ。さっさと終わらせましょうや」
マリユスの精鋭部隊が右翼のサポートに動く。彼の声は遠ざかっても、よく通って聞こえた。
彼の先陣切ってのサポートにより騎士隊全体の士気があがる。
苦戦していた前線に戦力が加わり、さらに陣形を変えて対応に当たった成果、あっという間に勢いを盛り返し、こちらの有利に傾いた。
さすがだ、と感服する。
勝利の風はこちら側に吹いている。
「そのまま突っ切るぞ!」
鬨(かちどき)の声が轟く。勢いを盛り返したあとは更に攻めに徹した。