クールな騎士はウブな愛妻に甘い初夜を所望する
「私も。……あなたを諦めなくてよかった。愛してるわ、ランベール」
「……心から」
 ふたりの声が重なって、お互いに微笑み合う。
 ランベールがレティシアの首の後に手を回し、彼女の唇をやさしく奪った。
 レティシアはランベールの首に腕を伸ばし、自分からも唇を寄せた。
 やさしくついばむような甘いキスは止まることなく、やがて互いを欲する濃密なものへと変わっていく。
 レティシアの呼吸は乱れ、熱っぽく瞳が潤んでいく。ランベールも同じだった。
「あなたに触れていると、止まらなくなってしまいますね」
 ランベールがキスの合間に囁いた。
 夫婦になってからランベールが積極的に求めてくれるようになった。レティシアはどきどきしながら、彼に身を預ける。
 ひょっとしたら今日は……と想像していると、ランベールのたくましい腕に抱き上げられ、そのままレティシアは室内へと運ばれていった。彼が目指すところは天蓋付きのベッドがある部屋だ。
 ああ、やっと彼と一つになるのだと思うと、だんだん緊張してくる。
 ベッドに寝せられ、組み敷かれてから、レティシアはおずおずとランベールを見上げる。彼の指は、彼女のドレスの紐をほどこうとしていた。
「あの、ランベール、まだ、明るいけれど……いい、のかしら」
 水を差すつもりはなかったが、ちょっと気になったのだ。レティシアはおずおずと上目遣いでランベールを見た。
 彼女の素朴な疑問に、ランベールはきょとんとしたあと、ふっと笑い出す。
「な、なんで笑うの」
「いや……困りました。そういうところだけは、いつまでも初々しいのだから……ほんとうにいじらしくて参りますね」
 そう言って、彼は頬にキスをしてくる。
 レティシアは拗ねた目で彼を咎めた。
「まだまだ子どもっぽいって言いたいのね」
「かわいくて……いとしくて、仕方ないってことですよ。我が妃……」
 ランベールがあやすようにキスの嵐を降らせてくるから、とてもくすぐったい。
 身をよじりながら、レティシアは言い返した。
「あなたも、私の護衛騎士だった頃のくせがとれないものね。いつまでもお姫様みたいな扱いするもの」
 膨れてみたのはわざとなのだが、ランベールは真剣に聞いてくる。
「不満ですか?」
「ふ、不満ではないけれど……」
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