クールな騎士はウブな愛妻に甘い初夜を所望する
「ごめんなさい。あなたにこう言ったところでどうしようもないのに。あなたの厚意に甘えてしまってつい愚痴をこぼしてしまったわ。でも、そんな顔をしないで。この生活にも慣れたもの。あなたがこうしていつもお花をくれるから、外の匂いを感じられる。私、あなたにはとても感謝しているのよ」
「……恐れ入ります。殿下」
「それより、気になっていることがあるの」
侍女のクロエが気を遣って退出していったのを見計らい、レティシアは声を潜めた。
「なんでしょう」
「叔父様……国王陛下は、正しい政治をしているかしら?」
レティシアはここだけしか話せない、前から疑問に感じていたことをランベールに問うた。
騎士にとって困る質問だったかもしれない。けれど、王と間近で接している騎士の彼にだからこそ問いたかった。
ランベールは黙り込んだあと、レティシアに問を返した。
「殿下は、どのように感じておられるのですか」
その言葉を受け、レティシアは常々思っていたことを改めて整理する。
「私は……民の声をもっと聞くべきだと思っているわ。以前は、王宮から城下へ行き、民の声を積極的に聞いてきたわ。国境に赴いたり、近隣諸国に外交官と一緒に出かけたりもした。民の要望は様々だから、すぐに叶えられるとは限らないけれど、王女である私の存在はただそこに在るだけで違うと思うのよ」
レティシアに賛同するように、ランベールは頷く。
「なるほど、たしかに同感です。国の象徴の花である王女殿下を心の支えにしている民は多くいましょう」
「そうだとしたら嬉しいわ。小さなころは教会で炊き出しのお手伝いもしたわ。せめて、できることは少なくても、私が国の象徴の花として そこに在れば、民も安心してくれると思うの。どうして叔父様……陛下は、私をここから出そうとしないのかしら。役に立たせてくれないのかしら……」
レティシアはランベールが理解してくれて嬉しい一方、悶々と秘めていた心の声を実際に言葉にしたら、ますますもどかしくなってきてしまった。
このまま自分が閉じこもっていることがいいこととはどうしても思えないのだ。せめて、国王と話すことができたらいいのだが、多忙を理由に、謁見の時間を許してもらえないから、埒が明かない。
「……恐れ入ります。殿下」
「それより、気になっていることがあるの」
侍女のクロエが気を遣って退出していったのを見計らい、レティシアは声を潜めた。
「なんでしょう」
「叔父様……国王陛下は、正しい政治をしているかしら?」
レティシアはここだけしか話せない、前から疑問に感じていたことをランベールに問うた。
騎士にとって困る質問だったかもしれない。けれど、王と間近で接している騎士の彼にだからこそ問いたかった。
ランベールは黙り込んだあと、レティシアに問を返した。
「殿下は、どのように感じておられるのですか」
その言葉を受け、レティシアは常々思っていたことを改めて整理する。
「私は……民の声をもっと聞くべきだと思っているわ。以前は、王宮から城下へ行き、民の声を積極的に聞いてきたわ。国境に赴いたり、近隣諸国に外交官と一緒に出かけたりもした。民の要望は様々だから、すぐに叶えられるとは限らないけれど、王女である私の存在はただそこに在るだけで違うと思うのよ」
レティシアに賛同するように、ランベールは頷く。
「なるほど、たしかに同感です。国の象徴の花である王女殿下を心の支えにしている民は多くいましょう」
「そうだとしたら嬉しいわ。小さなころは教会で炊き出しのお手伝いもしたわ。せめて、できることは少なくても、私が国の象徴の花として そこに在れば、民も安心してくれると思うの。どうして叔父様……陛下は、私をここから出そうとしないのかしら。役に立たせてくれないのかしら……」
レティシアはランベールが理解してくれて嬉しい一方、悶々と秘めていた心の声を実際に言葉にしたら、ますますもどかしくなってきてしまった。
このまま自分が閉じこもっていることがいいこととはどうしても思えないのだ。せめて、国王と話すことができたらいいのだが、多忙を理由に、謁見の時間を許してもらえないから、埒が明かない。