クールな騎士はウブな愛妻に甘い初夜を所望する
困っているというと語弊があるかもしれない。とにかく溺愛が激しい夫に、レティシアは戸惑っていたのだった。
今日も、政務が一段落し、部屋に戻ってきてから、ランベールはレティシアを片時も離そうとしない。
お疲れ様という挨拶代わりに軽く交わしたはずのキスが、それだけでは足りないと求められ、そのままソファに押し倒された上にキスの嵐を浴びて、レティシアは酸欠になるかと思った。
彼の手がレティシアのドレスの紐をほどこうとして、彼女は慌てて彼を制止する。
「ランベール……ったら。なし崩し的にこういうの、いけないんじゃなかったの」
レティシアは降参の意味で、彼の胸を押し返した。
「夫婦になった今なら、問題ありませんよ」
「わ、私的には問題だわ」
「いやですか? 私にこうして求められるのは」
昼間から互いの着衣が乱れているこの状態は、けっして健全とはいえない。けれど、休憩の合間にふたりがどう愛し合おうと、夫婦なのだから咎める者はいない。むしろ仲睦まじいふたりの関係はおおいに喜ばれることだろう。
寂しそうな目を向けられ、レティシアは良心が痛むのを感じた。否、これはいわゆる母性本能というものだろうか。胸に甘酸っぱいものがこみ上げてくる。
「い、いやじゃないわ。好きだもの」
「本当に?」
今のランベールは大きな犬科の獣のようなのだ。それでいて、しゅんとミミが垂れ下がっているような。やっと帰ってきた主に飛びつきたいのに、忠誠心を思い出して我慢しているような健気な視線……。
そんな目で見られたら、罪悪感で胸がちくちくする。
「ただ、今までのあなたは……護衛の騎士という節度を守っていたし、色々あって……私を遠ざけることが多かったから、ちょっと戸惑っているだけよ」
レティシアは正直に告げた。
すると、なるほど……と言って、ようやくランベールはレティシアから離れた。
「柄ではない、ということでしょうか」
真剣に考え込んでいるランベールを見て、レティシアは言うべきではなかっただろうかとちょっと後悔した。これを機に彼が遠慮するようになったら大変だ。
彼は慎重に見えて大胆なところもあるし、ストイックでいて脆いところもある。けっこう両極端な部分があるのだ。
今日も、政務が一段落し、部屋に戻ってきてから、ランベールはレティシアを片時も離そうとしない。
お疲れ様という挨拶代わりに軽く交わしたはずのキスが、それだけでは足りないと求められ、そのままソファに押し倒された上にキスの嵐を浴びて、レティシアは酸欠になるかと思った。
彼の手がレティシアのドレスの紐をほどこうとして、彼女は慌てて彼を制止する。
「ランベール……ったら。なし崩し的にこういうの、いけないんじゃなかったの」
レティシアは降参の意味で、彼の胸を押し返した。
「夫婦になった今なら、問題ありませんよ」
「わ、私的には問題だわ」
「いやですか? 私にこうして求められるのは」
昼間から互いの着衣が乱れているこの状態は、けっして健全とはいえない。けれど、休憩の合間にふたりがどう愛し合おうと、夫婦なのだから咎める者はいない。むしろ仲睦まじいふたりの関係はおおいに喜ばれることだろう。
寂しそうな目を向けられ、レティシアは良心が痛むのを感じた。否、これはいわゆる母性本能というものだろうか。胸に甘酸っぱいものがこみ上げてくる。
「い、いやじゃないわ。好きだもの」
「本当に?」
今のランベールは大きな犬科の獣のようなのだ。それでいて、しゅんとミミが垂れ下がっているような。やっと帰ってきた主に飛びつきたいのに、忠誠心を思い出して我慢しているような健気な視線……。
そんな目で見られたら、罪悪感で胸がちくちくする。
「ただ、今までのあなたは……護衛の騎士という節度を守っていたし、色々あって……私を遠ざけることが多かったから、ちょっと戸惑っているだけよ」
レティシアは正直に告げた。
すると、なるほど……と言って、ようやくランベールはレティシアから離れた。
「柄ではない、ということでしょうか」
真剣に考え込んでいるランベールを見て、レティシアは言うべきではなかっただろうかとちょっと後悔した。これを機に彼が遠慮するようになったら大変だ。
彼は慎重に見えて大胆なところもあるし、ストイックでいて脆いところもある。けっこう両極端な部分があるのだ。