クールな騎士はウブな愛妻に甘い初夜を所望する
ユーフォリア王国が建国されてから一年が過ぎ、国王夫妻が結婚してからは半年が経過していた。
あたたかな春から初夏にかけての季節が、ランベールはとても好きだ。妃のレティシアも同じことだろう。
相変わらずランベールはレティシアのために、どこかへ出かければ花の土産を持って帰ることにしている。彼女の喜ぶ顔が見たいからだ。
「少し、そのあたりで止まってくれないか」
ランベールが御者に声をかけると、四頭立ての馬車はゆっくりと停車した。
二人の侍従にドアを開かれ、彼はチェリーブロッサムが見事に咲いた農園に足を運ぶ。
突然の国王の訪問に、農民の男は飛び上がるように驚いていた。
「こ、これは騎士王陛下……!」
作業用の帽子を脱いで、すぐに男は頭を下げた。
「領主に報せをせず、突然の訪問すまない。そこの花を見させてもらってもいいだろうか」
ランベールが言うと、年老いた農民は意表を衝かれたような顔をしたあと、誇らしげに胸をそらした。
「え? ああ、花を……もちろんでございます。今年は遅咲きでしたが、今ちょうど満開の見頃でございますよ」
「そうか。本当に見事なものだな。次は、領主に連絡をとり、妃を共に連れてきたいと思う」
「それはそれは。ぜひ楽しみにお待ちしております……!」
ごゆっくりどうぞ、と農民は表情をほころばせた。
並木道をゆっくりと歩き、ランベールはチェリーブロッサムに近づいた。
見上げれば、木々は風にやさしくざわめき、薄桃色の花びらをちらちらと降らせている。甘酸っぱい香りがふわふわと鼻孔をくすぐった。
緑の絨毯に求愛でもしているかのように、次々に花びらが舞い降りていく。その花びらはハートのような形になっていた。
ふと、黄色いタンポポが風に吹かれているのを見て、ランベールは頬を緩ませる。
チェリーブロッサムは素晴らしいが、案外、妃はこちらの方が気に入りそうだ、と思った。これも、彼女の好きな黄色の花だ。
(土産は……よいか)
摘んでしまうよりも、近々レティシアを連れてこよう。ランベールはそう考える。
今は、以前と違って、ふたりは夫婦なのだ。花に秘めた想いを隠さなくてもいい。手を握って、顔を見て、ふたりで花を愉しみながら、存分に愛を囁こう。
それからランベールは農民に挨拶をすませると馬車に戻った。
「何か問題でもございましたか?」
あたたかな春から初夏にかけての季節が、ランベールはとても好きだ。妃のレティシアも同じことだろう。
相変わらずランベールはレティシアのために、どこかへ出かければ花の土産を持って帰ることにしている。彼女の喜ぶ顔が見たいからだ。
「少し、そのあたりで止まってくれないか」
ランベールが御者に声をかけると、四頭立ての馬車はゆっくりと停車した。
二人の侍従にドアを開かれ、彼はチェリーブロッサムが見事に咲いた農園に足を運ぶ。
突然の国王の訪問に、農民の男は飛び上がるように驚いていた。
「こ、これは騎士王陛下……!」
作業用の帽子を脱いで、すぐに男は頭を下げた。
「領主に報せをせず、突然の訪問すまない。そこの花を見させてもらってもいいだろうか」
ランベールが言うと、年老いた農民は意表を衝かれたような顔をしたあと、誇らしげに胸をそらした。
「え? ああ、花を……もちろんでございます。今年は遅咲きでしたが、今ちょうど満開の見頃でございますよ」
「そうか。本当に見事なものだな。次は、領主に連絡をとり、妃を共に連れてきたいと思う」
「それはそれは。ぜひ楽しみにお待ちしております……!」
ごゆっくりどうぞ、と農民は表情をほころばせた。
並木道をゆっくりと歩き、ランベールはチェリーブロッサムに近づいた。
見上げれば、木々は風にやさしくざわめき、薄桃色の花びらをちらちらと降らせている。甘酸っぱい香りがふわふわと鼻孔をくすぐった。
緑の絨毯に求愛でもしているかのように、次々に花びらが舞い降りていく。その花びらはハートのような形になっていた。
ふと、黄色いタンポポが風に吹かれているのを見て、ランベールは頬を緩ませる。
チェリーブロッサムは素晴らしいが、案外、妃はこちらの方が気に入りそうだ、と思った。これも、彼女の好きな黄色の花だ。
(土産は……よいか)
摘んでしまうよりも、近々レティシアを連れてこよう。ランベールはそう考える。
今は、以前と違って、ふたりは夫婦なのだ。花に秘めた想いを隠さなくてもいい。手を握って、顔を見て、ふたりで花を愉しみながら、存分に愛を囁こう。
それからランベールは農民に挨拶をすませると馬車に戻った。
「何か問題でもございましたか?」