クールな騎士はウブな愛妻に甘い初夜を所望する
「ええ。お互いの国の状況もあるでしょうし、自然や環境に関わることだから、色々ちゃんと考えてからではないとね」
 活き活きしているレティシアを見ると、ランベールは先ほど花を摘んでしまわないでよかった、と思った。
「交流の証に、花壇を作るというのもいいかもしれませんね。いずれ、国王陛下にも訪れていただけるように」
「たしかに。いいわね。その案、素敵だわ」
 レティシアは頬をうっすらと赤らめた。
 彼女の様子を見て、すぐにランベールはさっきのチェリーブロッサムの花を連想する。
「そういえば、さきほど農園にチェリーブロッサムが満開に咲いているところを通りかかりまして。近々、見頃のうちに一緒に行ってみませんか。次のボランティアの帰りでも構いませんが」
「いいわね。ぜひ行きたいわ。楽しみね」
 喜ぶ顔が見られて、ランベールも自然と微笑んだ。
 あの美しい光景を見て喜ぶ妃の顔が早く見たい、と思った。
「これから夕刻まで時間があります。クロエ、人払いをお願いできますか」
 ランベールが言うと、側に待機していたクロエは、すぐにかしこまりましたと笑顔で応じ、そそくさと衛兵を押し出すように連れ立って、ドアを閉じてしまう。
 おそらく彼女はすぐにこちらの思惑を察してくれたのだろう。
 一方、我が妃はというとまったく気付く様子がない。
「どうしたの? 何か大切なお話?」
 と、レティシアはきょとんとしている。
「ええ。とても大切なお話です」
 そう言い、ランベールはレティシアを抱き寄せ、彼女の唇を奪った。
 一瞬、目を丸くした彼女だったが、すぐに瞼をおろして、キスに応じてくれた。
 やわらかい彼女の唇を味わうのは久しぶりだった。唇を重ねるごとに愛しさが胸に迫りくるのを感じて、ランベールはそれからも夢中で彼女を求める。
 舌を絡ませ合うような濃密なキスに飽き足らず、とうとう我慢でなくなり、ランベールは彼女をベッドに連れ出した。
「レティシア、こっちにきてください」
「え……ランベール、大切な、お話は」
 レティシアは戸惑いながら、ランベールを見上げる。
「これが、大切なお話ですよ」
 ランベールは言って、レティシアをベッドに組み敷いた。
「……そ、そういう、ことだったの」
 ようやくレティシアは事情を悟ったようだった。
「ああ、ようやくあなたにようやく触れられる……」
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