クールな騎士はウブな愛妻に甘い初夜を所望する
 ランベールは汗ばんだ肌を密着させたまま、レティシアの瞼にキスをする。くすぐったそうに彼女は目を開いて、恥ずかしそうに瞳を揺らしたあと、唇を尖らせた。
「こんなに愛されたら、あなたがいない時間、寂しく感じてしまうわ」
 拗ねてるのか、咎めたいのか、そのどちらでもない。
 かわいい妃の言い分に、ランベールの果てたはずの熱がふたたび充足していくのを感じる。
「寂しくならないように、コウノトリにお願いしましょう」
 常套句になりつつある言葉に、レティシアはまた「もうっ」と膨れる。そしていたずらっぽく笑った。
「赤ちゃんができて、今度は、ランベールが寂しくならないといいけど」
 その意味を、ランベールはすぐに理解できなかったのだが、それでも問題ではなかった。
 近い将来、生まれてくる子も、彼女のことも、どちらも愛すればいいのだから。
「王子と王女と、ふたりは欲しいですね。できれば……王女はもっとたくさんいても……」
 と、レティシアに似た愛らしい王女の姿を想像した。
「ずるいわ。あなたの考えていること、わかっちゃうもの」
「もちろん、レティシアが一番大好きですよ」
「私も、あなたのことが一番よ」
 お互いに言い合って、笑い合う。そうしてしばらくじゃれあってふたりは余暇を楽しんだ。
 その一方、本当に一番であり続けられるように、彼女の心を掴む術を磨いておかねばなるまい。
 妃を溺愛する騎士王は、生真面目にそんなことを考えているのだった。
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