僕だけにナデナデさせて アミュ恋 3曲目

 マー君、大丈夫?


 息してる? 心臓動いてる?

 瞬間冷凍でも、されちゃった?



 そう心配になるほど
 僕の隣に座る番犬は、固まっている。



 真っ黒なアイラインで
 これでもかというほど、目を吊り上げ。

 アイシャドーは、色っぽく艶めく紫色。

 真っ赤な口紅をベタベタに塗り重ねた
 蓮見マネジャーを見つめたまま。



 わかるよ。


 マネージャーが、いつも以上に綺麗で。

 男を惑わす人食い花のフェロモンが
 あふれ出ているってことは、僕にもわかるけど……



 そろそろ動き出さないと
 本人にバレちゃうよ。



 マー君がマネージャーのことを
 実は大好きで、たまらないって。
< 286 / 375 >

この作品をシェア

pagetop