ボーダーライン。Neo【中】
“ーー「僕の目標は、ずっと昔からエドだけなんです。だから今日会えた事を本当に嬉しく思っています」”
“涙を滲ませて話すHinokiさんに、Star・Blacksのボーカル、エドワード・ギルド氏は嬉しそうに答えた。”
“「君たちのような大物ロックバンドがファンでいてくれる事を僕たちは誇りに思う」と。”
“ライブが始まって行われる前座では、FAVORITEは自身の曲を演奏し、続けてStar・Blacksと共に彼らの曲をも熱唱した。”
“FAVORITEの彼ら曰わく、昨日は十年越しの想いが実を結ぶ結果となったそうだーー”
読み進める毎に鼓動は早くなり、あたしは、凄い、と呟いていた。
かつて檜と付き合っていた過去。
彼からその洋楽バンドの話は、たびたび耳にしていた。
檜は十歳という少年期、イギリスにある音楽店舗で‘Star・Blacks’のポップを目にし、何となく試聴機で聴いたのが、そのバンドとの出会いだと言っていた。
憧れのボーカリストを目指して、バンド活動を必死に成し遂げてきた姿も傍で見ている。
「……凄いよ、檜っ」
不意に込み上げるものを感じ、あたしは記事に載った彼らの写真を見つめたまま、視界を滲ませた。