ボーダーライン。Neo【中】
「だからその、ええと……。何て言ったら良いか、うまく伝えられないんだけど」
電話の向こうで沈黙を守り、やがて檜は優しい口調で言った。
「……気まずいとか、そういうのは気にしなくて良いよ?
俺もさ、幸子から連絡来たからってもう変に期待しないし、ちゃんと諦めてるから」
ーーえ?
どういう意味だろう。
あたしは表情を固め、真剣に考えてしまう。
あれだけ突き放されてまだあたしに好意を寄せてくれているとは、とても考えられない。
だとしたら、冗談?
あたしに気遣わせない檜の優しさなのだろう。
「……ん。そっか」
彼の心遣いが嬉しくて、あたしは柔和な返事をした。
「金曜日、楽しみにしてるから頑張ってね?」
社交辞令にも似た台詞を残し、あたしは心置きなく電話を切った。
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