ボーダーライン。Neo【中】
慎ちゃんの待つコタツテーブルへ食事を運ぶ頃には、既にバラエティー番組へチャンネルが変わっていた。
「最近Mパラ観ないんだね?」
言いながら彼の向かいに腰を下ろし、いただきます、と言って手を合わせる。
「え? ああ、うん。……何となく」
言いながら、彼はパッと目を逸らした。そのまま手を合わせ、食事に箸を付ける。
ーー何だろう?
最近慎ちゃんの態度が何処かよそよそしい気がする。
あたしは首を傾げた。
「……ビデオ。何の録画してるの?」
慎ちゃんは手元から視線を上げず、無感動な声で訊ねた。
これを機に、FAVORITEのファンになったと公言したい気もするが、もう少し時間を掛けてから告げようかな、と考える。
あたしはとりあえず、Mパラと答えた。
「……へぇ。何か珍しくない? サチ、あんまり音楽番組とか興味無いのに」
「うん。そうだよね?」
言われてみれば、檜の音楽以外はあまり聞かない気がする。
あたしは肉じゃがを口に運び、ふふっと笑みを漏らした。
「今日お弁当屋さんに来る常連のOLさん達にね? 今夜は録画して観るように勧められたの」
勿論、嘘だ。他人から勧められて興味を持つ方が、後々ファンになったと言い易い。
「え。何でまた?」
慎ちゃんは片方の眉を寄せ、少し狼狽えて見えた。あたしは目を瞬き、言葉をついだ。