ボーダーライン。Neo【中】
翌日の天気は見事な快晴だった。
あたしは抜けるような青さに澄み切った空を見上げ、神さまが祝福しているのかな、と思った。
「おめでとー!!」
列席者が口々に祝いの賛辞を述べ、手の平いっぱいの花びらを主役の二人へと放った。
ちょうど教会での挙式が済んだ所で、外に出て来る新郎新婦を祝福するセレモニーだ。
階段の下あたりに立ち、あたしは笑みを添えて手を叩いた。
少し高い位置で、幸せそうに笑う水城さんと内田くん。
親しい友人や家族に囲まれる二人を、少し離れた場所で静かに見守っていた。
太陽光に輝く真っ白なウエディングドレスが眩しい。
美しさと幸せを手に入れた彼女を、ぼうっとした意識で見つめていた。
もうひと月もしない内に、あたしもあれを着るんだな、と思うと、どこか複雑な気持ちになる。
十二月初旬、慎ちゃんと共にドレスの試着をしに出掛けた頃は、ウキウキとした気持ちで式場へ向かったものだ。
自分好みのデザインを選び、正直、花嫁姿の自分を鏡で眺め、うっとりと陶酔すらしていた。
ああ、やっとあたしも結婚出来るのだなぁと。感慨深い想いを噛み締めていた。
試着したあたしのドレス姿を見て、慎ちゃんも頬を染めて喜んでいた。