子連れシンデレラ(1)~最初で最後の恋~
私は南条さんをコテージに入れた。
――――私は一体彼と何したいんだろう・・・

拓郎を忘れる為に天空島に来たのが目的なのに。
拓郎の瓜二つの彼とこの島で滞在する四日間・・・恋人契約を結んだ。

彼はサングラスを外し、ソファに腰を下ろすと、辺りを見回した。

「南条さん」

「何?阿川さん」

「いえ・・・その・・・」

「拓郎の代わり身になったんだけど…俺は何をすればいい?」

「え、あ・・・今は何もしなくても・・・それよりも私・・・ディナーの予約時間が迫っているので行きますね・・・」

「わかった・・・いってらしゃい。凛香さん」


南条さんは突然私を名前を呼んだ。
彼の声は拓郎よりも甘く響き・・・心臓がドキドキと早鐘を鳴らした。
「いきなり名前で呼ばないで下さい・・・」

「君が提案したコトだろ?俺に四日間、恋人になれと言ったのは・・・」

「それはそうだけど・・・」

「俺のコトも玲斗さんでいいよ・・・」

「そう言われても・・・」

「・・・君って大胆なコト頼む割には純情だな・・・俺…阿川さんにみたいな女性が好みのタイプなんだ。だから、会いに来た・・・」

「南条さん!?」

「俺・・・好みの女の子には容赦ないから・・・」

拓郎に瓜二つだけど・・・拓郎とは違って、凄く南条さんってストレートだった。




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