子連れシンデレラ(1)~最初で最後の恋~
私はお詫びの印にと朝食を作った。

「どうぞ、召し上がって下さい」

「ありがとう。頂きます」

南条さんは私の作った目玉焼きを箸で半分の切り分け、口に運ぶ。


「醤油はつけないのね・・・」

「俺は何もつけない派だ・・・拓郎さんは目玉焼きの醤油つけていたのか?」

「あ、はい」

「へぇー・・・」

「ゴメンなさい・・・拓郎と重ねてしまって・・・」

「俺は代わり身のつもりだ。謝る必要ないさ」

彼は瞳を伏せ、アイスコーヒーを飲む。
長い睫毛の多さに驚いた。

拓郎にはない男の色気を感じる南条さん。

彼はしっかりと朝食を完食。ボストンバックから薬を取り出した。

「えっ?どうしてそんなに薬飲むの?」

「あ・・・俺…病気なんだ・・・手術しなきゃ…余命半年なんだ・・・」

彼は笑顔で湛え、私に説明する。
「それって笑いゴトじゃ・・・」

「・・・そうだな」
南条さんも相槌を打ち、急に真剣な表情になった。

「この島って天国に一番近い島がキャッチフレーズだ。
俺は生きてる間に天国が見たくて、此処に来た・・・」

「手術は受けないの?」

「…受けても成功率の低い手術だからね・・・」

彼はそう言って、三種類の錠剤を口に放り込んで、グラスの水で飲み込んだ。
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