子連れシンデレラ(1)~最初で最後の恋~
昨日の夜よりも彼はどう猛で激しく私を求める。
――――これが本当に最後の夜かもしれないから。
「凛香…俺は君に出逢えて…嬉しいよ」
甘い感覚がカラダの中に余韻として残っていた。
彼は私の細い肩を抱き寄せて黒い瞳を潤ませて耳許で囁いた。
「玲斗さん・・・」
私の瞳も涙が潤み、彼の顔が霞んで見える。
「ありがとう・・・」
彼は私に何度も何度も礼を言う。
後は神様だけが・・・彼の運命を知っている。
私達は一年後逢う約束を交わし、就寝した。
翌朝…目を覚ませば、玲斗さんの姿はなかった。
リビングのテーブルには一枚の置手紙がおかれていた。
『俺は君に逢えるコトを祈り、手術を受けます。
もし、俺の手術が成功し、生きていれば、一年後、七月十五日・満月島で逢いましょう。」と。