子連れシンデレラ(1)~最初で最後の恋~
社長の秘密
でも、彼は現れなかった。

その代わり、私には玲也と言う玲斗さんの子が産まれた。

やはり、田代チーフから私の勤務状況を見て、次の契約は更新はしないと告げられた。
玲也の為にも落ち込んではいられず、笑顔を貼り付け、お迎えに向かう。

「ママ!!」

私の顔を見るなり、玲也は一目散に駆け寄って来る。

「きいてきいて・・・ママ・・・僕ね・・・きょう・・・きゅうしょく全部食べたんだよ」

「そっか・・・偉いね・・・」

「ねっ、小森先生」

他の園児たちと遊んでいた小森君に相槌を求める。

「そうだっけ?」

「先生見てなかったの??僕、全部食べたじゃん」

「俺は玲也君だけを見てるワケじゃない・・・」

小森君は私にフラれた腹いせか、玲也に対する態度がまるで冷たかった。

他のママたちの目もあるし、小森君に直接は何も言えず、玲也の手を引き、園から出た。

「小森先生…何だか変なんだ・・・」

「!?」

「僕のコト、嫌いなったのかわからないけど・・・つめたいんだ・・・」

「ゴメン…それは私のせいだ・・・」

「どうして?ママのせいなの?」

「それは・・・柊也さんとお友達になったから・・・」

「しゃちょうと??どうして・・・小森先生もしゃちょうと仲良くしたらいいのに・・・」

「そう言うワケにはいかないのよ・・・玲也には分からない…大人の事情があるの」

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