子連れシンデレラ(1)~最初で最後の恋~
夕食は寿司処『源五郎』のお寿司。
鮮度のいい寿司ネタが桶の中でひしめき合っていた。

お寿司がダイスキな玲也は大喜びして、大好物のマグロから口に運んだ。

「美味しいよ…ママ」

「良かったね・・・」

「今度は凛香、君の食べたいモノを食べるから・・・許してくれ」

「私はいいんですよ・・・」

「じゃ今度もお寿司がいい・・・」
「そっか…玲也君はそんなに寿司がスキか・・・」

「うん。僕のスキなのはマグロと鉄火巻きとネギトロ」

「・・・君はマグロ好きなんだな・・・」

「あ・・・柊也さんも召し上がって下さい・・・」

「俺は残り物でいいよ・・・凛香の方こそ先に食べなさい・・・」

「・‥では遠慮なく・・・」
私は普段食べるコトのできない大トロを口に運ぶ。
脂身が口の中で蕩ける。

「美味しい・・・」

「柊也さんも食べてください…大トロ」

「・・・分かった」

彼は私に促され、大トロを口に運んだ。

「契約更新はしないと田代チーフから言われたんだろ?
凛香、俺の部屋のハウスキーパー真剣に考えないか?」

「それは・・・」

「別に一緒に住んでもいいぞ・・・」

「柊也さん・・・!?」


満腹感からか玲也はソファで熟睡してしまった。

「思った以上にお寿司が残ってないな・・・玲也君、小さいのに良く食うな・・・」

「食べない時もありますよ・・・大好きなお寿司だから・・・沢山食べたんだと思います」

「そっか・・・」

柊也さんは残り物のイカのお寿司を口に運んだ。

「でも…困ったわ・・・こんなところで、玲也に眠られたら…帰れない」

「帰る気だったの?俺は帰す気ないんだけど・・・」



柊也さんは甘さと愛しさを孕ませ、私に言った。
彼の色気に全身が熱くなっていく。

「本当に私でいいんですか?」

「いいから・・・自分の住んでいる部屋に招いたんだ・・・」

「でも、私は子連れですよ・・・」

「一つ言っていいかい?」

「えっ?」

「他の人間には秘密して欲しい・・・
俺は五年前…大病を患って・・・命と引き換えに子種を失ったんだ・・・
だから、子供は持てない。だから、俺は子連れでもいいんだ・・・君は君で、もしかしたら、俺の子が欲しくなるかもしれないけど・・・出来れば、俺は君と結婚して、玲也君を俺の後継者として育てたい」

「柊也…さん!?」

「生殖機能がない男なんて・・・男じゃないよな・・・」

柊也さんは自嘲的に笑い、お茶を啜った。







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