子連れシンデレラ(1)~最初で最後の恋~
「遅かったな・・・」

柊也さんが一人で留守番をしている玲也を不憫に思い、部屋に戻り、寝かし付けてくれていた。

「絵本なんて読んだのは何十年振りかな?」

「玲也に絵本、読んでくれたんですか?」

「まぁな」

「凛香さん、玲也君の荷物は此処にいいですか?」

「あ、はい・・・」

「随分と荷物が多いな・・・黒沼」

柊也さんは小首を傾げ、荷物を眺める。

「お二人をあのような部屋に住まわせるワケにはいきません」

「黒沼お前も二人の部屋に入ったのか・・・セキュリティ面においては脆弱過ぎるからな・・・」


「・・・凛香さん、社長にお話していいですか?」

「黒沼さん!?」

「貴方だけの問題ではありませんよ・・・」

「でも、私の態度が招いたコトで・・・」

「おいっ!?俺、そっちのけで何二人で話をしてるんだ?」

「社長は凛香さんのクラスメイトの小森正平を知っていますか?」

「何だ?小森がまた・・・凛香に会いに来たのか?」

「えぇ、まぁ。酒に酔って彼女のアパートで待ち伏せていたようです。
私が居なければ、多分凛香さんは襲われていました」

「・・・」

「だから…部屋を引き上げて来ました」

「そうか・・・ありがとう、黒沼」

「私はこれで帰ります。
後は社長に凛香さんをお任せします」

「ご苦労だった。黒沼」

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