あの夏、君と。〜もう一度笑って〜



翌日。

僕は一睡も出来ないまま、学校へ行く準備をした。


「お兄ちゃん、おはよう」

紗夜がリビングに来た。

「あ、おはよー」

腑抜けた声で挨拶を返す。



朝食を食べ、学校へ向かった。


1時限目は体育。


朝からだるいなぁ。


「おはよ!翔!」

いつも元気なゆきと挨拶を交わす

「おーはよ〜……」

「ん?元気ねぇじゃねぇか!どした?」

「いやー、体育って苦手で……ははっ……」


「そうか?夏の体育は水泳だぜ?涼しいじゃん!」


あ、そうか!水泳か!

俄然やる気が出てきた。



「……ん?でもプールってどこに??」


この校舎、プールないな。


「何言ってんだよ!自然の大きなプールあるだろ!行くぞ!」


自然の大きなプール……って、まさか……!!!





そのまさかは的中。



そう、自然の大きなプールは海。



小さなプレハブ小屋で着替えを済ませる。



この学校は、水着や海パンはそれぞれ自由に持参していい。


そこはすごく利点だ。

ブリーフみたいな水着はごめんだな。


ゆきは案の定、引き締まったいい身体。


僕はヒョロっヒョロな……なんとも情けない……。


鍛えよう……。
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