あの夏、君と。〜もう一度笑って〜










……………………



気づくと、もう転入して3ヶ月が経とうとしていた。

昼休みの10分と放課後の少しの時間はエミコの元へ通う毎日を過ごしていた。


みちるとゆきの距離も変わらずに。








昼休み
「ねぇ!竹中君!」


俯いて考え事をしていると、みちるが僕に声をかけてきた。



「ん?どうしたの??」


「今度の日曜日にお祭りがあるんだけどさ!」

「お祭り……???」

「そう!人魚祭!この村に唯一ある神社が人魚を祀ってるんだけどさ!毎年この時期にお祭りがあるんだ!良かったら一緒に行かない???」


「……なんで僕???ゆき誘えばいいんじゃない??」

みちるは少し顔を赤らめて、

「その……ゆき君は竹中君から誘ってもらえないかな……??」


ああ、そういうこと!

そーゆーのは大歓迎だ!


「わかった!いいよ!」

「ほんと!?ありがとう!!!」

みちるは満面の笑みで自分の席に戻った。






その日の夜、ゆきにLINEした。



『ゆき、今週の日曜日、暇?』

ピコン!

すぐ既読が付き、返信が返ってきた。


『空いてるけどどうした?』


『みちるとゆきと3人で、人魚祭行かない?』


ピコン!

『OK〜♪行くv(・∀・*)』



良かった、無事にゆきの予定確保!



コンコン


自室のドアが鳴る。


「お兄ちゃん…………。」
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