あの夏、君と。〜もう一度笑って〜
日が落ちるちょっと前にエミコと明後日の約束をし、

僕は家路に着いた。


自室から財布を持ち、また外に行こうとした。


「お兄ちゃん?どこ行くの?」

妹の紗夜だ。


「ちょっと薬局まで!!」


「ふーん、お母さんが18時から晩御飯だって言ってたよ!」

「それまでには帰る!」

今、17:25。

走れば間に合うな。


家から近くの薬局までは歩いて5分程度。


薬局に着き、コンタクトを探す。


わ、ワンディ??ツーウィーク??1ヶ月??


日にちによって違うのか??


色々と種類があり、僕は迷った。


「お探しものですか?」


そこへ優しそうな店員さんが声をかけてくれた。


「あ、はい、コンタクトにしようと思って」


「そうなんですね!初めての方にはワンディおすすめしますよ!」


「ワンディですか」

「はい!ワンディは1日使い捨てで、ツーウィークは2週間使えますが、外したら洗浄液という専用のコンタクト洗う液剤で洗って使わなければなりませんので……。」

んんん、めんどうだな……。

「ワンディにします」

そう言って、自分の目の度に合ったものを選び、会計を済ませた。


「ありがとうございます」と一緒に選んでくれた店員さんに会釈し、店を出た。


17:50……。もうそろ晩御飯だ。

家に着くと、お母さんの声が聞こえた。

「翔、おかえり!もうごはんだよ!」

「うん」

自室に行き、コンタクトを置き、リビングで食卓を囲んだ。


「翔、紗夜。もうそろ夏休み明けだが、学校は行けそうか?」

お父さんが聞いてくる。

「そんなの行ってみなきゃわかんないじゃない」

「どんなクラスメイトかによると思う」


「ははっ……。そうか」苦笑いしながらお父さんは話題を変えた。


食事を終え、僕は最難関に挑む。
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