極上社長に初めてを奪われて、溺愛懐妊いたしました
「会いたかった」


そう告げたのは、やっぱり千紘さんだ。


「ロンドンへ行ったきり連絡できなくてごめん。おととい、帰国の連絡を会社に入れたら奏介が出て、桃子が早退したと教えてくれた。それから君のスマホにも連絡したけど、電話は繋がらないし、メッセージも既読にならないからずっと心配だったんだ」


そういえば、スマホをどこに置いただろう。

おととい祖母と電話をしたあと、何気なくまたカバンへ戻した気がする。

それから久しぶりにつわりから解放されたので、しばらくできていなかった料理や部屋の掃除に没頭していたらスマホの存在を忘れていた。

そのうちにまたつわりがぶり返して倒れていたから、余計に気が付かなかった。
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