極上社長に初めてを奪われて、溺愛懐妊いたしました
その後、私の作業は十五分ほどで終わったものの、千紘社長はまだ仕事を続けているようだ。


「社長。何かお飲み物でもお持ちしましょうか?」


そう尋ねると、彼は首を横に振る。


「いや、大丈夫。俺ももう終わったから」


千紘社長がノートパソコンを閉じて、執務イスから立ち上がると大きく伸びをする。


「今日は帰ろうか」

「はい。お疲れさまでした」

「お疲れさま。こんな時間まで付き合わせちゃってごめんね」


イスの背もたれにかけていたスーツの上着を羽織りながら、千紘社長が申し訳なさそうに私を見つめる。


「いえ。それよりも社長、今夜はご自宅でゆっくりとお休みになってください」

「そうするよ。心配してくれてありがとう」


千紘社長の穏やかな笑みに、私も笑顔を返す。


「では、失礼いたします」


そう告げて、彼に背を向けて扉へと向かった。けれど、ドアノブに手をかけたところで「笹崎さん」と呼び止められてしまう。


「今夜だけど……」


今夜?
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