モブ転生のはずが、もふもふチートが開花して 溺愛されて困っています
「な、なんでレジスがそのことを知ってるのよ! あなたはルメルシェ家とメレス家と一切関係ないでしょう!」

 〝なんでそのことを知っているのか〟なんて、レジスの話が本当だと言っているようなものだ。エミリーは突然の出来事にうまく対応できないようで、自らボロを出してしまっている。

「関係ある。なぜなら――フィーナの援助は、ルメルシェ家の代わりに我がオリヴェタン家がさせてもらうことになった。そのために、俺が両家と話をつけてきたんだ」
「なんですって!?」

 つまりレジスが私の学費を肩代わりして、私の退学をなしにした……?

 エミリーや観衆とちがい、私はあまりの急展開に声も出ないほど驚いた。開いた口が塞がらない。

「……フィーナ。安心してくれ。お前は新学期からまた学園に通えるし、寮にもいられる。今までみたいに、自分らしく好きなようにしてくれてたらいい」
「レジス、でもっ……」
「俺の好意で勝手にやったことだ。遠慮する必要はない。それとも、フィーナは退学することを望んでいたのか?」

 そんなはずがない。
 入学した当初は、いつ退学になってもいいと思っていた。
 でも、みんなと仲良くなってから……私はアルベリク王立学園(ここ)が、大好きになっていた。

 ふるふると首を横に振る私を見て、レジスは安堵のため息をつく。

「……それとエミリー。お前の両親にはしっかり釘を刺しておいた。今度フィーナに嫌がらせをしたときは、どうなるか覚えておくんだな」
「――っ!」

 私を見つめる優しい眼差しとは打って変わって、レジスは氷のように冷たい目でエミリーを睨みつけた。エミリーは蛇に睨まれた蛙のように固まり、なにも言い返せない。

 さらに、周りがエミリーに浴びせる視線もいつのまにか私に向けられていたような冷たいものに変わっていた。
 私を見せしめにするつもりが、自分が見せしめになるなんて……エミリーもこの番狂わせには相当堪えたようで、全身の力が抜けたようにガクン、とその場に膝をついた。
 
< 101 / 108 >

この作品をシェア

pagetop