モブ転生のはずが、もふもふチートが開花して 溺愛されて困っています
「今日もシピちゃんの相談?」
「いや、今日は別のことを占ってもらおうかと」
「え! めずらしい! いいわ。なんでも聞いて」

 さすがにシピ関連の悩みはネタ切れになったのだろうか。レジスがどんなことを聞いてくるのか、私は期待を膨らませていた。

「俺自身のことを占ってほしいんだ」
「レジス自身のこと?」
「ああ。今後の俺の運勢とか、未来のこととか。……俺は今、とあることに対して一歩踏み出していいのかどうかを悩んでいて、できればフィーナの占いで背中を押してほしくて」
「そういうことね。任せて!」

 ――とあることって、なんだろう?

 タロットカードを混ぜながら、ぼんやりと考える。
 もしかして、私との関係のことだったり? ……私ったら、レジスの気持ちを知ってるのをいいことに、自惚れすぎてるかも。

 私はカードを一枚引き、テーブルの真ん中に置くと、ゆっくりとカードをめくった。

 私はそのカードを見て、ごくりと息を呑んだ。
 出たカードは、〝塔〟の正位置。意味は〝破壊〟。
 タロットカードの中で、最も悪いと言われるカードだった。

 今まで何度もレジスの相談を占ってきたけど、こんなに悪いカードは出たことがない。
 カードを見たままなにも言わない私を見て、レジスは顔をしかめる。

「フィーナ? このカードはどういう意味なんだ?」

 純粋な瞳を向けてくるレジスを見て、結果を言うことにためらいが生じる。

「えっと、そうね。出たカードは塔の正位置。カードから読み取ると、レジスは今後、大きなアクシデントや、今まで積み上げてきたものが壊れていく、なんてことが起きる可能性があるわ」
「……いいカードではないということはわかった。もう少し詳しく教えてもらってもいいか? たとえば……恋愛的な面だと、どういった意味合いがある?」
「――〝関係性の崩壊〟」
「…………」

 私たちはお互い無言になる。
 だめだわ。私までこの結果に泣きそうになってきた。まるで、私とレジスの未来を表してるような気がしてならない。
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