秘密事項:同僚と勢いで結婚した
「大切にされてんのね。本当に好いてもらえてるって確信しなきゃ手を出せないタイプだったりして!」
あたりの人に聞かれてないか確認を怠らずにし、ようやく咳が落ち着いたところで深く呼吸をした。
「それかそもそも勃たなかったり…」
「私に魅力ないかな…?」
「そんなことない。私が男なら李と結婚する〜」
歯に衣着せぬ物言いは彼女の長所でもあり、好きなところでもある。
けれど『不安を取り除きたい』って思う以前に、そもそも自分自身が不安になってくるという、よろしくない現状…。
うどんを味わうことをそっちのけにして、再びスタートした思考タイム。
(………夫婦なのにこんなことで悩んでる私ってバカらしい)
最終的に行き着いた考えに嘲笑した。
「話変えて悪いんだけどさ。金曜の同期会、李行く?」
「うん」
「おっけー。じゃあ私も出席にチェックつけよう」
同期会。その存在を忘れていた。
金曜日の夜に放送されている番組の予約を忘れないようにしよう、なんて呑気なことを脳内のメモ帳に記して私は残りの昼休みをゆったり過ごした。