秘密事項:同僚と勢いで結婚した


そして、場が暖まってきた頃。





向かい側に座っていた同期の橋本くんが言う。


「葉山が婚約破棄したって聞いて驚いたけど、最終的に穂高とゴールインする未来が見えるよな〜」


目の前にあったビールを勢いよく飲み干すと、続けて橋本くんは言葉を紡いだ。


「穂高ばっかいいなぁ〜。俺も葉山ちゃん口説いてみたい。」

「…橋本、酔ってる?」


実は、女性慣れしてて社内で一番の遊び人と認定されている橋本くん。そんな彼は、穂高くんを覗き込みながら煽る。


またまたいつもの揶揄い。


「橋本くん、そんなこと言ってるとまた誤解されるよ? 本当は対して遊んでないくせに」


橋本くんの仕事に対する真面目さから女の人の方から寄ってきて…。軽くあしらっている内にそんな認定を受けてしまっているということを知っている。


それに…。


「穂高くんを揶揄いたいならもっと他のことにしなよー?」


穂高くんに対するライバル意識がとにかく強い。

< 67 / 137 >

この作品をシェア

pagetop