秘密事項:同僚と勢いで結婚した
「……葉山、めちゃくちゃ可愛かった…」
今、私は穂高くんの腕の中にいる。存在感があるけれど優しい腕に安心して、ゆったりと目を瞑れば額に口付けられた。
「……痛くない?」
「平気」
「ならよかった」
労らわれるのは少しだけ擽ったい。でも快くて、胸はドキドキと高鳴る。
「………私、穂高くんと結婚してよかった」
「体の相性良かったからとか?」
照れ隠しのように私の夫は訊いてきた。その問いかけに対して、私は真面目に返そうと心に決める。
「……………今、すっごく幸せだから。穂高くんと一緒になれて良かった」
「っ…」
予想通り、彼はひたすら嬉しそうに顔を赤くして笑う。
その顔をさせられるのは私だけ。
胸の内から湧き上がる多幸感と満足感に甘く溺れた。