先生がいてくれるなら①【完】

あの超高級マンションにそんな事情があったなんて、知らなかった。


確かに一介の高校教師に払える家賃じゃ無さそうだ、とは思ってたけど。


「せっかく家を出るのにさぁ、親の用意したマンションじゃ意味ないよねー。帰りたくなかったんだろうね。だからせめて長期休暇中ぐらいはあそこに帰らなくてもいいようにって、リョウがね、うちの店で働いてくれるなら住む場所を提供するって言ってさ~」


「リョウさんもユキさんも、いい人すぎます……」


私まで目頭が熱くなってしまった……。


そうか、先生はそんな事情も抱えてたんですね。


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