先生がいてくれるなら①【完】

「そうだユキさん。もう一つ聞いても良いですか?」

「私が知ってる事なら、なんでもどうぞ!」


そうは言ったものの実はちょっと言い出しにくい質問で、私は少し言い淀んでしまう。


「あのぉ……私が散歩に出かける前にユキさんが言ってた事に関してなんですけど……」

「ん? 私、何か言ったっけ?」


はい、おっしゃいましたとも。


私にとっては気になりすぎる一言を。


「その……先生の……付き合ってきた女性の話で……」


私が言いにくそうにそう言葉を続けると、ユキさんは「ああ!」と言ってパチンと手を叩いた。


「言ったわー、言ったねー。ごめんねぇ、悪気はなかったのよ」

「あ、いえ、大丈夫です。でもなんだか気になっちゃって……」

「そうだよねぇ、今カノにとって元カノは気になる存在だよねぇ」

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