異能者達の宴~夢の競演特別編~
覚醒者2号…黛まどか。

彼女は戦闘には向かない代わりに、瞬間移動と予知の能力を持つ。

予知は近い将来…数秒先から数日先に起こる出来事を察知する事ができる、未来予測の能力なのだ。

そんな彼女が、何かを感じ取る。

「小山田君…誰か近づいてくる…!」

「何…?」

俺は臨戦態勢に入った。

奴か?

それとも機関の新たな追っ手か?

今、この場で戦闘が行えるのは俺しかいない。

もし奴が相手だとすると、はっきり言って絶望的だが…。

「……」

黛さんの膝枕で、息を荒くするななみの顔を見る。

せめて彼女達だけでも逃がしてやりたい。

ここは身を捨ててでも、追っ手を食い止める…!

「俺が駄目でも、躊躇わず逃げてくれ」

「え…小山田君!」

黛さんの呼びかけにも振り向く事なく。

俺は路地裏から飛び出していった。



< 3 / 66 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop