異能者達の宴~夢の競演特別編~
街灯すらない、真っ暗な道路に飛び出す。

「…!」

その闇の中。

俺の姿を確認した相手が、歩を止めた。

「……」

目を凝らす。

どうやら『奴』ではないようだ。

背格好は俺と同じくらい。

だが身にまとう気配は明らかにカタギのものではない。

修羅場を何度も潜り抜けてきた、戦い慣れした者がまとう特有の気配。

「こんな夜更けまで俺達の追跡とは、ご苦労な事だな」

拳を握り締める。

その拳に、赤い炎が灯った。

「!」

目の前の相手が、息を飲む気配。

機関からの追っ手の癖に、今更俺の発火能力で驚く事もないだろうに。

「…まぁいい」

俺は腰を低く落とした。

「黛さんとななみをやらせる訳にはいかない…ここで消えてもらう!」

まるで獲物に襲い掛かる狼のように。

俺は相手に突進した!

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