異能者達の宴~夢の競演特別編~
訳がわからない。

いきなり俺に襲い掛かってきた哲平。

その背後には。

「っ!」

ダメージすら受けた様子のない異形者が立っていた。

「哲平、敵は俺じゃない!異形者はお前の後ろにいるんだぞ!」

「わかってる…けど…!」

哲平は苦しげに言葉を紡ぐ。

「体が思うように動かないんだ…俺の意思とは関係なく…体が…」

哲平の体が勝手に俺を攻撃するっていうのか…?

そんな事が有り得るのか?

しかし現実に。

「あうっ!」

俺は哲平の炎の拳に殴りつけられ、地面に倒れた。

殴打される痛みと炎の熱さ。

攻撃される側にしてみれば、こんな厄介な攻撃はない。

だけど、それを俺が受ける羽目になるなんて…。

哲平は敵じゃない。

だが、攻撃を防ぐ手段も、哲平を止める方法もない。

いいようにいたぶられて、俺は追い詰められていった。


< 37 / 66 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop