異能者達の宴~夢の競演特別編~
「うぐ…!」

立っていられなくなり、ガクリと膝をつく。

さっきの矢の魔術で、俺の魔力はほぼ尽きていた。

もう障壁を張る余裕もない。

全身は火傷と打撲だらけだ。

傷だらけになり、動けなくなった俺の前に。

「…!」

異形者が近づいてくる。

「く…やめろ…化け物…!」

哲平が苦しげに言う。

相変わらず自分の意思通りに動けないらしく、その場に立ち止まったまま。

哲平は目の前で、俺が異形者にとどめを刺される姿を見る事になる。

…ゆっくりと、巨大な左腕を振り上げる異形の怪物。

俺は疲弊して回避行動すら取れない。

このまま異形者が拳を振り下ろせば、俺は叩き潰されてただの肉塊となってしまう。

「く…そ…!」

悔しさに歯噛みする。

と、その時だった。













「どうした…私の見込んだ男は、その程度で諦めるような者ではない筈だ」


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