異能者達の宴~夢の競演特別編~
一気に間合いを詰めた俺は、炎を纏わせた拳を相手目掛けて突き出す!

これを素早い反応で回避する相手。

俺は。

「はぁっ!」

体を反転させ、もう片方の拳を裏拳気味に打ち出した!

その拳にも炎が灯る!

黛さんに教わった格闘術と、俺の発火能力を融合させた、いわば『炎の拳法』。

二撃目は完全に間合いが詰まっている。

かわし切れるのものではない。

その炎の拳を。

「なに…!?」

相手は、目に見えない壁で防御した。

まるでアクリル板を叩いたような感触。

不可視の壁が、俺の拳を受けてたわむ。

「ちっ!」

反撃を警戒し、俺は素早く距離をとった。

念動力の類か?

となると、こいつも覚醒者?

両の拳に炎を纏ったまま、俺は拳法の型を決める。

『奴』の他にも、こんな敵が存在したとは。

思わぬ刺客に、俺は歯噛みした。

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